大手量販店の終焉と中小企業ができること
2015/07/07
家電大手のヤマダ電機の不振がニュースになっています。
そのヤマダ電機が店舗の一部閉鎖を表明した。2015年3月期は大幅な減収減益。それを踏まえ、「抜本的な経営の構造改革」と称するリストラクチャリングの一環として、今月中に37店舗を完全閉鎖、9店舗に業態転換やリニューアルなどを実施し、計46店舗の不採算店を閉める。今年度の新規出店は15店舗に抑える。
大手の家電量販店の売上が軒並み下がっています。これは、ヤマダ電機だけでなく、エディオン ケーズ電気なども軒並み業績が悪化しています。大手量販店にいっても平日はガラガラ。休日の人の数も減っているような気がします。
さらに、量販店の最大のライバルは、隣の量販店だけはなくなっています。最大のライバルはインターネット・・・
「ショールーミング化」
リアル店舗のライバルがオンラインショップ、「ショールーミング化」と言われる通り、実店舗で商品を確認し、安い価格をネットで検索し注文する流れが一般化したこと競合ライバルをオンラインショップとしてしまったことが原因といわれています。
大型量販店の「広く」「安く」という売り方は今や「インターネットの大型店」にやられてしまう。という時代の流れです。
中小企業ができることは
大企業の戦略がどんどんと崩れていく中、中小企業で、業績を伸ばしている会社があります。
「でんかのヤマグチ」は大手量販店との競争をすることなく独自の路線で電気製品を販売し業績を伸ばしています。
先日、商工会のセミナーで講演を聴く機会があり、大変感銘を受けました。
「でんかのヤマグチ」は、東京都町田市にある小さな家電販売店です。
この地で私は48年間、商売を続けてきました。かつてバブル経済の頃に複数の店を出したこともありますが、今は町田市郊外の1店舗だけです。2012年3月期の売上高は12億4000万円で、社員は40人ほど。ごく一般的な零細企業と言っていいでしょう。
それにもかかわらず、多くの方々に注目をしていただいているのは、業界大手の家電量販店がひしめく激戦区にありながら安売りをせずにしぶとく生き残っているからだと思います。その秘密は、徹底した顧客サービスにあります。テレビとレコーダーを買ってもらったらお客様の自宅まで届けて配線して設置してあげたり、電球1個の交換でもトンデ行ったりするのは当たり前。これは言ってみれば、家電の販売や修理など本業に含まれる「表のサービス」です。
ヤマグチにはこれ以外に、言葉はあまり良くないのですが、「裏のサービス」があり、これに力を入れています。なぜなら、一般的な家電販売店にはまずできないことだからです。
「遠くの親戚より、近くのヤマグチ」──。徹底したお客様サービスを続けていくうちに、いつしかお客様からはそう言われるようになりました。
顧客に対して徹底的なサービスを行う。これは今日明日できるものではありません。講演でお聞きしましたが、このサービスが浸透するまで、10年かかった、売上が黒字化するまで3年かかったとのことです。
やらないことを決める
売上が上がらず、倒産寸前になったヤマグチ社長が粗利確保のために最初におこなったのは「やらないこと決める」ことでした。
1:商圏を絞る
町田市に商圏をしっかり定め、遠方の顧客は訪問対象から外しました。それ以外のエリアへの営業は、原則しないと決めたのです。
売れればどこでも販売するという発想から徹底したサービスと粗利確保のために商圏をしぼりました。
2:顧客を絞る
直近で5年間、ヤマグチから何も買っていなければ顧客台帳から外しました。そういうお客様には、ダイレクトメールも出さなければ戸別訪問にも行かない。こちらからは何もアプローチしないことに決めたのです。
顧客情報こそ命
顧客を絞ること、商圏を絞ることで、1人当たりの顧客へのサービスを徹底化していきます。
一見 泥臭い営業を行っているように見えるヤマグチさんですが実は、顧客リストと売上の分析、データ管理を徹底的に行ています。
1顧客が、いつ何を購入したか?3年前に他者でどんなエアコンを購入したか?
部屋の間取りは?? 密につながったお客様から、細かい情報を聞きだした「顧客台帳」がヤマグチの凄さです。
お客様との繋がりを深くする
お客様がリピートしない理由は、お店が嫌い とか、サービスが悪い という理由ではありません。
80%以上の理由が、元購入したお店を「忘れられるから」です。
顧客を絞り、徹底的なデータ化するだけでなく、ヤマグチはお礼状、イベント招待など常にお客様から「忘れさせない」工夫をしています。イベントやDMも、毎回 常に新鮮な企画を打ち出し、マンネリ感にならないこと。何度もトライ&エラーを繰り返しています。
参照:他店より高い! 「でんかのヤマグチ」 “高売り”の秘密
ウェブ集客ではありませんが、本来の中小企業の売り方、マーケティングの本質がここにあります。
これもすごく勉強になりますよ。
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